紅魔館のある一夜



原曲 : 「東方紅魔郷」 より 「U.N.オーエンは彼女なのか?」
作曲 : ZUN ( 上海アリス幻樂団 )
アレンジ : Denko ( Presence∝fTVA )
  

楽譜音源


 「Hソナタ」と同様、キャラクターとの結びつきが強いアレンジ。Denkoはイラストを全く描けないから妄想を曲で表現するしかない。器楽曲ならおそらくどんなに暴走しても年齢制限がかかることがないので、何を恐れることもなく自由に表現できるのがいい。もしDenkoが絵を描けていたなら、今さらどうなっていたことやら・・・
 という下らない話は終わりにして、曲の内容に移ろう。この曲は和声的アブノーマルさを強調した。曲の出だしから奇怪な音で始まる。メインテーマも普段耳にするU.N.オーエンのハーモニーとは一味違うだろう。そして2分4秒から始まる中間部。原曲のイントロの旋律を使って、夜の妹様の奇行を表現してみた。変な響きの鐘、忍び寄る足音、突然の静寂、ドロドロでろ〜んなど、自分でも笑ってしまう音を詰め込んだ。夜に完全に音を遮断して聴くと面白いだろう。(Denkoはまだ試していない)
 何年も前から、しばしばDenkoはアブノーマルな曲を作ろうとしていた。高校1年の時に「闇」とかいう曲を作り、傑作だといっていたのが懐かしい。今となっては、できの悪さのために耳にするにさえ嫌な曲だが。経験不足、技術不足のためアブノーマルさがあまり出せなかった曲だった。それから何年もたって大学の4年で、ようやく高校以来の夢を実現したという感じだ。大学2年からショパン1本路線を脱却してロシア系音楽など諸々のジャンルの音楽を取り入れ、このアレンジのような音遣いが可能になったのだと思っている。
 楽譜上だけで作ったこの曲、演奏不可能ではないだろうが、弾きにくいことは確認している。曲の主題部分を中心に音の重なりが妙に厚かったり、2度がやたら連続したり。中間部までは軽快に流れよく弾かないとおそらく野暮ったくなる。弾きにくい割には聴き栄えのしない典型例だろう。
 中間部はとにかく不気味に、響きの上でアブノーマリティを出して。コーダは爆発的に加速し、ピアノの最低音近くと最高音をぶったたき、グリッサンドの後左手クラスター音 (ぐしゃっとした塊の音) と変な鐘の音で終わる。曲全体について、至るところで見られるアクセント付きの音は自信を持って出そう。


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