ピアノソナタH番 ”こぉるどそなた”



「東方紅魔郷」より 「おてんば恋娘」「ルーネイトエルフ」
「東方妖々夢」より 「無何有の郷 〜Deepmountain」「クリスタライズシルバーズ」
原作 : ZUN ( 上海アリス幻樂団 )
編作曲 : Denko ( Presence∝fTVA )


第1楽章第2楽章第3楽章
楽譜音源楽譜音源楽譜音源


 クラシックの世界で「第9番」が特別な意味を持つことはよく知られたこと。一方、東方の世界で、「H」はすぐさまあのキャラクターに直結する。そう、「ピアノソナタH番」とは両者のギャップの面白さを狙っている。今までのDenkoの二次創作は良くも悪くも「音だけ」で、キャラクターやゲーム本編との結びつきが弱かったのが、今回は初めてキャラクターソング的な二次創作をやってみた。無論曲名だけでなく、曲の内容もキャラクターとの結びつきを強くしたつもり。
 どうしてソナタなのか?ソナタは基本的に3曲から4曲の組曲で、物語性を出すのにちょうどいいからだ。この曲は3曲だが、各曲でチルノのいろいろな姿を見せることに成功したように思っている。実を言うと、ピアノソナタという伝統的で固いものに「H」を無理やりはめこむという面白さを出すためというのが大きかったりもするが。曲名と狙いが同じということw

第1楽章 ソナタ形式

 この楽章には2つのテーマがある。このうち、1つ目のテーマ(第1楽章冒頭)は「バカなH」を表す。基本的にC♯ - B - C♯ - Eという4音だけというシンプルな旋律で、こいつは後に続く2曲にも出てくる重要なテーマ。2つめのテーマ (22秒付近から) は「かわいいH」あるいは「可憐なH」を表す。この2つの対照的なテーマを出すのがポイント。チルノはバカだバカだと言われ続けているが、(神主氏すら認めてしまっている) 実はかわいさや可憐さがあるのではないかと迷うのがこの第1楽章だ。この迷いが爆発するのがソナタ形式の展開部で、1分44秒付近からになる。両テーマが激しくぶつかり合い、緊張感が高くなる。2分24秒あたりからはわけの分からないフレーズが登場し、葛藤(?)は最高潮。その後少し落ち着いて第1テーマに戻っていく。ここから2つのテーマを再現するわけだが、第2テーマ(可憐な、かわいいHのテーマ)は最初に出てきたような繊細さはなく、第1テーマのようにゴツく、パワフルになっている。つまり、Hがバカかかわいいかという悩みは結局バカに落ち着いたということw
 ソナタ形式というのはこのように2つのテーマの葛藤だ。この曲のように「バカ」か「かわいい」か迷うようなライトなものから、ベートーベンの「理想」と「現実」のようにヘビーなものもある。

第2楽章 ロンド形式

 第1楽章は活発でかつ少しヘビーだったので、この楽章では心身ともに休むことにしよう。「湖上を舞う氷の精」という曲名があいそうだ。高音部のキラキラ音とともに、ゆったりとした旋律が歌われる。
 1分58秒から耳慣れない旋律が出てくるが、じつはこの旋律は上海紅茶館。湖のかなたに見える紅魔館を意味する。ボーンと鳴る低音は紅魔館の鐘の音だろうか。
 3分からは跳ねるような伴奏になる。雪が上がり、Hはあることをしようと決心した・・・

第3楽章 ロンド形式

 Hの決心とは、冒険に出ることだ。まだ湖の周りしか知らないHは、未知の世界を知ろうと飛び立つ。途中穴にはまりながら、ヘビに追われながら、いろいろなものを見て成長していく。姉貴である(?)レティ・ホワイトロックから力を分けてもらいつつ(1分54秒あたり)、どんどん道を進んでいく。
 目指す先はまだまだ遠い。テケテケと走って、ドテンとこけた。(4分22秒から最後)チルノの冒険はまだまだ続く・・・


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