以上の条件で以下3点を測定した。
A ・ EN_PWMを常にONとし電源電圧VDDが5〜20Vに変化した場合の出力電流 I_LEDの値 (電流波高値が200mAから変化しないことの確認)
B ・ 電源電圧を5Vとし、EN_PWMの入力のduty比を変化させた場合の出力電流I_LEDの値 (EN_PWMのパルス立ち上がりに対しI_LEDの応答が十分に早いことの確認)
C ・ EN_PWMのパルス立ち上がりに対するI_LED立ち上がりの遅れ(Bの詳細な測定)
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A ・ EN_PWMを常にONとし電源電圧VDDが5〜20Vに変化した場合の出力電流 I_LEDの値
出力電流波形I_LEDを図3に示す。
図3-1 VDD=5Vのときの出力電流波形 (縦軸:50mV/div 横軸:20ms/div)

(50mV/div)
図3-2 VDD=10Vのときの出力電流波形 (縦軸:50mV/div 横軸:20ms/div)
図3-3 VDD=15Vのときの出力電流波形 (縦軸:50mV/div 横軸:20ms/div)
図3-4 VDD=20Vのときの出力電流波形 (縦軸:50mV/div 横軸:20ms/div)
図3-1〜3-3に示す通り、VDDが15V以下では出力電流は縦4divで一定なので波高値は200mAで一定だ。ノイズも少ない。ただ、図3-4に示すようにVDDが20Vの場合、duty比が1:1で10Hz程度でLEDが点滅した。おそらく、ICの発熱によって自動出力遮断が働いたと思われる。(実際、ICに触れるとかなり熱かった) パワーLEDに定電流を流す場合、電源電圧は10V以内に抑えると安全そうだ。
B・電源電圧を5Vとし、EN_PWMの入力のduty比を変化させた場合の出力電流I_LEDの値
出力電流波形I_LEDを図4に示す。
図4-1 duty比1:16のときの入出力出力波形(黄色:PWM入力電圧 赤色:出力電流 横軸:1ms/div)
図4-2 duty比1:1のときの入出力出力波形(黄色:PWM入力電圧 赤色:出力電流 横軸:1ms/div)
※入力波形はPWM生成マイコンの都合上瞬間的にOFFとなっている
図4-1、図4-2に示すように、duty比が1:16の場合でも入力に対する出力波形に遅れは見られない。(図4−2のような数10μs程度の入力の瞬断にも追随している)つまり遅れは数100μs以内に収まっている。LEDのPWM制御に問題なく使用できそうだ。
C ・ EN_PWMのパルス立ち上がりに対するI_LED立ち上がりの遅れ(Bの詳細な測定)
出力電流波形I_LEDを図5に示す。条件は図4-1と同じく、duty比1:1とした。
図5 duty比1:16のときの入出力出力波形(黄色:PWM入力電圧 赤色:出力電流 横軸:5μs/div)
図5に示すように、入力電圧が立ち上がった直後10μs間は出力電流は多少パルスノイズを発する程度で定常状態へは遷移しない。10μs直後から出力波形が立ち上がり、少しオーバーシュートした後 センターから5div(25μs)でほぼ定常値 200mA となる。図4で入出力遅延は数100μs以内だと推定したが、ほぼその通りだ。
データシートの記述では遅延は11μsとあるが、おそらく入力立ち上がり開始 と出力立ち上がり開始の時間差だろう。
以上より、パワーLEDのPWM制御に使用できそうなことが分かった。ノイズも少ない。注意点として、図1の結果でも考察したように電源電圧を高くしすぎない(出力電流を200mAとする場合10V以内とする)ことだろう。ノイズ対策を行えばモーターの制御にも使えそうだ。
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