普通作品中の曲というのは、最初はシンプルに、最後に行くほど複雑に、技巧を凝らして重厚に作っていくものです。ですからその作品全体のBGMの主題となるようなメロディーがある場合は、最初の曲はそれをストレートに用いる場合が多いですね。さてこの曲は永夜抄の最初を飾る曲です。ZUNさん曰く1面の曲は『軽快でノリのいいものが良い』 らしいですがそうかどうかは放っておいて、何だかんだで最初の曲している曲です。
ですからそれをリアルピアノアレンジすると、やっぱり最初の曲になります。東方RPAの中で最初のほうに弾くのに相応しい曲という意味で。その相応しさはほぼ
No.1『ツェペシュの幼き末裔』と同じくらいだと思うのですがどうでしょう。
しかしながらアレンジテクニック上シンプルなツェペシュをNo.1として出してしまったので、この曲はなかなか出番がなくNo.10まで待たされてしまいました。なので番号の割には演奏効果は控えめですが、一度は弾いて頂きたい曲ですね。
・演奏の手引き
東方RPAの中では簡単な部類に入る曲ですね。難関は最後の右手で複数旋律を同時処理する部分ですが、ここを頑張ると演奏効果が格段にUPします、多分。
この曲はペダルを常に利用するのでピアノ自身の響きの良し悪しが結構効いてきます。日本製の中型グランドピアノなんかが良さそうでしょうか。スタインウェイとかを使うと響き過ぎてごちゃごちゃになりそうですね。その点電子ピアノでは結構綺麗に聴こえたり。
2連のグリッサンドは一応音符書いてありますが、適当に弾いて構いません。というよりもし楽譜通りに弾けるほどの腕があるなら、東方RPAきっての難曲である
『狂気の瞳』や
『プレインエイジア』 (HPA) をどうぞ。
実はこの曲の単純な形の繰り返しを基本とする左手の伴奏と、和音を含む複数旋律を扱う右手という構成は他の東方RPAでとても良く使われるものです。特にこれからアレンジがなされるであろう妖々夢の曲で多用されそうなので、妖々夢の音楽が好きな人は予めこの曲を弾いておきましょう。この曲をクリアしたら、基本構造が似ている
No.9『少女幻葬 〜 Necro-Fantasy』に進むといいですよ。