上海紅茶館シリーズはこれで4曲目。3番目の
Chinese Clusterization とはうってかわって、幻想的で東洋的な曲となった。ドビュッシーの「版画」の「塔」や、「映像」の「水の反射」といった曲を参考にしてアレンジした。この曲は全体的に五音音階を多様し、黒鍵ばかりである。五音音階は中国的な雰囲気を出すのに一番手軽な方法だ。以前発表した「Chinese Rhapsody」(第2上海)よりも、この曲のほうがRhapsody にふさわしいということにら気づき、曲名に困った記憶がある。(Rhapsody とは民族的な曲という意味で、特定の国をイメージさせるような曲につけられる)
構成としては、自由なロンド形式だろう。前奏、第1主題、第2主題、コーダといった構造が読み取れるだろうが、各部は毎回変奏している。「上海紅茶館 〜Chinese Tea」の旋律のほか、東方の主題(東方原作のオープニング画面で流れている旋律) も絡めている。
演奏はそれほど難しくないと思う。終盤の Maestoso で大きな跳躍が出てくるが、そこはそれほどテンポが早くないので問題ないだろう。急速なアルペジオが時折出てくるが、全て黒鍵なので人間工学的には無理がないだろう。
この曲のイメージは次のとおり。ある日の夜、おれは町外れに怪しげな中華風の屋敷を見つけた。好奇心に任せて中をのぞいてみると、チャイナドレスの娘がいた。その娘は手招きをしている。おれは娘に見とれ、娘を捕まえたいと思って屋敷に入っていた。おれが来るのを見た娘は、屋敷の中へ逃げていった・・・
その娘が東方の原作で言う「華人小娘」なのか、あるいはチャイナドレスだと思っていたのは実は巫女服で、娘は霊夢だったのかは、記憶にない。