CLANNADの主題による中ソナタ



原曲 : CLANNAD BGM各曲
アレンジ元 : CLANNADの主題によるソナタ by あかみ (萌えさいと。
アレンジ : chiquchoo
  

楽譜
第1楽章第2楽章第3楽章


 さて、今回一番の大作となる『CLANNADの主題による中ソナタ』です。原曲は言うまでもなくあかみさんの
『CLANNADの主題によるソナタ』です。“中”をつけると何故かコンパクト感が出るのは不思議不思議〜ww。
そしてこの曲はそのCLANNADソナタの、“意図的な劣化アレンジ”です。
 CLANNADソナタの素晴らしさは、今更解説するまでもないでしょう。しかしこの曲はとにかく難しいのですね。
それも弾き手もそうなんですが、聴く側としてもクラシックピアノにそれなりに慣れていないと結構厳しいと
思われます。でも折角のいい曲なのだから、その良さの理解が難解な故に楽しめないというのは何とも勿体
無いなーと思っていました。
 そしてその解決策こそが、このアレンジなのです。つまり、目の前に立ちはだかるCLANNADソナタの壁の前に、
それを簡単化して再構成したCLANNAD中ソナタという階段を作って乗り越えやすくしようという訳。ですのでこの
曲は、もちろん1曲として成立させにいった曲ですが、とともにCLANNADソナタなしでは決して完結しきることが
ない楽曲でもあります。


・各楽章解説

 第一楽章は原曲の第一楽章のコンパクト版です。原曲から主にその中間の部分と、コーダの一気に突っ走る
部分が削られていて、前者により曲の構成を大幅にシンプルにし聴き手に、後者でピーク難易度を下げ弾き手に
易しい曲としました。一方でその独特な和音には手をつけていないために重厚な響きによる高い演奏効果は原曲
譲りであり、弾き手も聴き手も満足して頂けると思います。ただし代償として譜読みの大変さも原曲からあまり
変わっていませんorzが、そこは演奏効果を信じて頑張って頂ければ。

 第二楽章は原曲の第二楽章の主に中間部分を複合三部+コーダにまとめたものです。この楽章は馴染みの良さを
重点に置いています。構成もシンプルで、また音自体も簡略化がされており、とりあえず弾いてみるのに適した
楽章になっています。それは聴く際も同様で、クラシックに慣れてない方でも比較的馴染みやすいのではないかと
思います。

 第三楽章は最初は同じくあかみさんの『金色の汐』を借りて始まり、第一楽章で省かれた部分と原曲第二楽章の
コーダを中心に構成されています。この楽章は言うならばCLANNADソナタへの橋渡し。中間部は繊細な旋律の
やり取りを見せ、またラストは原曲の両楽章のコーダが並び、高難易度ながらも凄まじく響く、言うならば
CLANNADソナタの分かりやすい魅力を伝える部分となっています。この楽章に込められたメッセージはただ1つ、
つまりCLANNADソナタはこんなにも魅力ある曲ですよーと言いたいのです!


・練習順序について

 とりあえず弾いてみたいという方は、第二楽章→第一楽章の順に手をつけてみることをお勧めします。一番
馴染みやすいのは第二楽章なのですが、演奏まで考えると私のように第一楽章のほうがとっつきやすい人も
いますので、片方が駄目でももう片方に手を出してみる価値はあります。第三楽章は両方とも弾けた方でなければ
厳しいかも。

 CLANNADソナタと合わせてレパートリーにしたいという方は、第一楽章→原曲第一楽章→第三楽章→原曲
第二楽章がお勧め。原曲第二楽章は無理だと思ったら第三楽章まででストップしてレパートリーとする事も
見据えた練習順序です。CLANNADソナタを単独で練習するのとそう変わらない労力で、かつ段階を追う事で無理が
少なく効率的に練習できる、ちくちゅーイチオシのコースです。
 最後にそんな人いないと思いますが、CLANNAD中ソナタにこだわって練習したい方は、第二楽章→第一楽章→
第三楽章→原曲第一楽章がオススメです。え、何で原曲入っているかって? というのも第一楽章と第三楽章を
マスターした時点で、構成上殆ど労力をかけずに原曲の第一楽章が弾けてしまうのです。

 第二楽章でそれと分かる部分を除き、なるべくCLANNADソナタより細部を変更せずに、ほとんど再構成のみで
作っています。なので譜読みや運指を、細かい違いを気にせずにそっくりそのまま原曲に転用することができます。
(というかそれが主目的)。なので是非原曲にも触れて欲しいですし、原曲の練習の際にこの曲を弾いておくことが、
段階を経るという意味でもかなり役に立ってくれると思います。


・CLANNAD中ソナタを押さえてのCLANNADソナタ

 聴く上でも、この曲を押さえておくことで原曲の理解の助けになると思います。原曲はこの曲より複雑な構成を
持っています。そのためこの曲で旋律だけでも馴染んでおくことで、より構成その他を理解する余力を得ることが
できるのではないかと思います。

 原曲に登場しながらこの曲では悉く省いた構成上の要素として、変奏曲とフーガがあります。これらはクラシック
曲に相当馴染んでいる人でなければ簡単に受け入れて理解するのは難しい、大変難解な要素です。この曲では
これらを省くことで馴染みやすくすると共に、さて次に原曲を聴き込もうとする時に理解すべき要素が減ることで、
その敷居を低くする事を狙ってもいます。
 それは演奏面でも同様です。特に第三楽章で顕著なのですが、この曲に出てくる高難易度部分は、原曲に
おける、高難易度だがその割に弾きやすく、また演奏効果も確保されやすい部分に絞ってあります。特に原曲
第二楽章は単純な長さでも、そして用いられているテクニックの質的にもエグいですからね、原曲第二楽章は
弾けなくとも、中ソナタを弾くことでそれに一部分だけでも触れられるという意義は決して小さくないと思います。


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