第1曲 Ride on



原曲 : 「うみねこのなく頃に」 より 「Ride on」
作曲 : dai
アレンジ : chiquchoo
  

楽譜音源


 さて、組曲第一曲目はその題名から容易に想像できる通りRide onです。制作順としてはhopeの次に作られた曲です。
 この曲は、単独では“組曲における意味を持たない”曲です。言うならばただ始まりを継げ、主題を提示するのみ。そのため冗長さを嫌い、組曲としての演奏では後半部をカットする指示がなされています。そしてこれはこの組曲が途中まで組曲でなかった名残でもあります。組曲としたため1曲でも成り立つように加筆をしたのですが、組曲としてのこの曲は加筆部分以前までに、この曲の果たすべき全ての役目を当初の予定通り出し切ってしまうのです。

 ただ幕開けに主題を提示する、たったそれだけの曲ですが、いやたったそれだけの曲こそが最初の曲として必要なのです。この主題は5曲全てに用いられますが、この主題が用いられる意図には、どの曲においてもある程度の共通性があります。そしてこの旋律の部分に、基本的にその曲で一番想いがこもる部分を充てています。だからこそ最初は単に主題の提示のみ。これから曲が進むに従って色が付いていきます。5曲を終えてこの主題が持つ色こそが、私のうみねこ解釈の大元です。


・演奏の手引き

 うーんこれは単曲で弾く曲なのでしょうか、とアレンジした本人が思ってたりしますorz。単曲と組曲の1曲目では表情付けは明らかに異なってくると思います。
 単曲の場合はいかに聴かせるかがなかなか難しい曲となってきます。基本的にテンポを揺らす曲ではないので強弱がポイントとなります。同じ強弱でもクレッシェンドのようにだんだんと変化させていく部分と、一気に強めたり弱めたりする部分との差異をしっかりと出していくとメリハリがつきます。
 一方組曲の場合は基本的に主題提示なので、この曲で強く主張する弾き方は単曲の時ほどは要求されないと思います。特にフォルテ側のダイナミックレンジを削り気味にして、若干淡々とした感じが出るように演奏することで続く曲を生かすことができると思います。

 技法面の注意点としては低音は重くならずに小気味よく。右手もちょっと無謀気味に飛ぶところがあったりしますが、歯切れの良い音を出せると気持ちの良い演奏になりますね。


直前のページへ戻る

Presence∝fTVA Top