のと鉄道穴水〜輪島 最終営業日



2001年3月31日

執筆 2006年8月


2000年の初夏から穴水 輪島間が廃止になりそうだという話があったが、秋にはとうとう廃止が決まってしまった。




この日は朝早く、金沢5時15分発の七尾行きに乗った。たしか681系だったと思う。特急用車両に乗れるとは、朝早く出た甲斐があった。七尾で乗り換え、輪島には8時30分過ぎに着いた。金沢発の時点ではほとんど人がいなかったが、穴水からどっと増えた。穴水に泊まってい人だろうか。







輪島では列車到着時にホームの拡声器で「わじま〜、わじま〜、」と盛んにコールしていた。何年ぶりであろうか。いや、何十年ぶりかもしれない。






次は「シベリア」



輪島駅では地元の人による鍋のふるまい、国鉄七尾線からのと鉄道に至るまでを写した写真、鉄道用品のオークションがあり、たくさんの人でごった返していた。

この日は3月最後の日にもかかわらず、ひどく寒かったので鍋の暖かさに救われた。筆者は鉄道用品のオークションで駅帽に1500円で入札し、見事に(?)落札した。

?を付ける理由は、入札者が自分の他にいなかったからだ。これは意外だった。ちなみにオークションには、ダイヤ表や畳2枚分もある待合室の時刻表、廃車になったNT100の車番プレート等もあり、いずれも立派な値がついた。





「シベリア」側の車止めからホームを駅を眺める。レールの輝きは鈍い。駅構内も草むらとなる一歩手前。もう輪島に列車は来ない






3両編成でも満員となった列車 何年、いや何十年前でもこれほど賑わったことはあるまい






全列車につけられた「さよならありがとう」のヘッドマーク
NT100の色によくマッチする。ファンのみならず地元の人も乗り納めをする。次に来たときはここはどうなっているだろう



筆者は最終列車を待たずに帰ったが、新聞によれば穴水行き最終列車が<発車するときに雪が降ったそうである。駅では「蛍の光」が流され、雪が蛍のように舞っていたことだろう。その蛍とともに、のと鉄道穴水〜輪島が消えていった。寒い春先のことだった。


END


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