TEMPEST under the ground



原曲 : 「東方地霊殿」 より 「廃獄ララバイ」  「死体旅行」 「業火マントル」
作曲 : ZUN ( 上海アリス幻樂団 )
アレンジ : chiquchoo ( Presence∝fTVA )
  

楽譜音源


 最新作“Presence∝fTVA 2010 Autumn”の、現段階で恐らく最も人気のある曲ではないでしょうか。ベートーベンのテンペストソナタ最終楽章を下敷きに、東方地霊殿の各旋律を用いて本格的なクラシックアレンジを構成した楽曲です。

 詳細な楽曲解説はCD内の解説ページに譲るとしますが、東方地霊殿×テンペストのイメージは言うならば表の顔、その本性はそこいらのクラシック曲もびっくりなほどの、主題再帰を徹底的に活用した構成にあります。初めて聞く旋律は、せいぜいただ聞くのが精一杯です。しかしそれが繰り返されれば、初出の旋律も既知の旋律となり、つまりは知っている旋律で曲を把握することができます。するとそこに色々な変化や、その他の追加要素が入る余地が生まれてくるのですね。

 もし普段からクラシックを聞いている方であれば、この曲の構成はすんなり馴染め、楽しめるものではないでしょうか。そうでない方であっても、同じ旋律が単なる繰り返しでない形で何度も登場することによる独特の面白さを味わって頂けると思います。

 もしこの曲に更に深く立ち入ってみようと思われた方は、是非CDを手にとって詳細な解説文をご覧になってみて下さい。この曲の構成は他の東方ピアノアレンジ楽曲に対して決して単純ではありませんが、用いられている手法である主題回帰そのものは難解複雑なものではありません。その用いられ方をきちんと把握することで、この曲がより身近に感じられる筈です。



・演奏の手引き (簡易版)

 この曲をもし、多少背伸びしてでも弾けると思われる方は是非手を出してみて下さい。決して徒労には終わらないと思います。難易度的にはほぼテンペスト第3楽章と同じくらいと思って頂いて構いません。実際はテンペストに比べると音が複雑だったり、ジャンプがあったりしますが、この辺りは意外と“何とかなります”。確かに転調を連発して山のように臨時記号が出てくるといかにも難しいように感じますが、音を覚えてしまえば逆に黒鍵がコンスタントに入ってくる分、形によっては弾きやすくさえなります。演奏効果の向上を演奏テクニックではなく譜読み段階の苦労で確保できるという一面もあったり。

 こちらも詳細なアドバイスはCD内の解説に譲りますが、私の思いとしてはこの曲はとにかく“弾いてほしい”の一点です。演奏可能性の証明に関しては、私及び私以外の複数の人によって確認されていますし。単純にピアノ楽曲としても通用するような曲が、実は東方の同人アレンジ、ええ、なかなか面白いシチュエーションではありませんか♪


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