原曲 ： 「東方紅魔郷」より　「上海紅茶館 〜Chinese Tea」　「明治17年の上海アリス」
作曲 ： ZUN （ 上海アリス幻樂団 ）
アレンジ ： Denko ( Presence∝fTVA )
　　

　上海紅茶館シリーズは5曲目。ここでついに楽譜から Piano の文字がなくなる。初めての弦楽三重奏アレンジだ。ディスクの音源ではそれなりに鳴っていると思っているが、実際に演奏してみるとどうなるかはわからない。特に、後半の転調してからは不安だ。転調先は gis-moll （嬰ト短調）だが、この調は弦楽器では響きが悪いと言われている。Denko は実際に gis-moll の曲を弦楽器で演奏しているのを見たことがないので、響きがどうなるのかは分からない。こればかりは実演を待つしかない。
　また、調性だけでなく音の積み重ね方でも弦楽器が美しく響くかどうか不安がある。全体的に、音域をもっと高くしてもいいかもしれない。また、楽器の運動能力からすればもっと細かい動きがあってもいいかもしれない。
　不安が多いアレンジ作品だが、自信がある部分もある。それは中間部の「明治17年・・・」によるカノンだ。対位法 （複数の旋律を絡める技） がもっとも生きていくるのは3人あるいは4人編成による演奏だと思っている。対位法で書くのは大変だが、（4小節書くのに1時間以上かかることも珍しくない）労力に見合った効果が出る。何度聴いても飽きない。

　Denko としては、今後ピアノソロだけでなく室内楽にも力を入れていきたいと思っている。サックス＋ピアノ、あるいはサックス四重奏など、あまり二次創作で使われていない穴場がたくさんある。