幻想曲 『めぐり、ひとひら。』



原作 : 「めぐり、ひとひら。」
アレンジ : chiquchoo
  

楽譜音源


 この曲のスタートは、K.Kuroyaさんのアトラク=ナクア幻想曲への憧れから始まります。Kuroyaさんとアトラク幻想曲についてはfTVA-SNS内で書いた日記( http://ftva-web.so-netsns.jp/pc/friend/diary/45/ )に解説を譲りますが、このアレンジを始めた当時の私は加藤賢二接続曲を完成させ、もっともっと深い構成のアレンジをしたいと息巻いていたのですね。そして選んだ幾つかの作品の1つがこの『めぐり、ひとひら。』でした。まだ昨年、08年の秋のことです。

 しかしそこから私は深刻なスランプに陥ります。一言で言うなら加藤賢二接続曲が出来過ぎで、それが壁となって立ちはだかった。唯一の例外『陽気な足踏み』を除いて半年以上1曲も新作アレンジができなくなりました。「めぐり、ひとひら。」のアレンジ案もなかなか良いものとならず、記憶しているだけで最低2回は廃案を食らっています。そしてようやくこのスランプから脱し、CLANNAD中ソナタやひよのソナチネ、うみねこ組曲などができて勢いに乗っていたこの秋に再チャレンジ、ようやく納得のいく構成を編み出し、アレンジを完成させることができました。

 さて結局この曲ってどんな曲なんだろうと考えた時、例えばアトラク幻想曲のchiquchoo版という表現はある意味で的を射て、そしておそらくそれ以上の意味で的を外しているんじゃないかな、と最近思えてきました。アトラク幻想曲に憧れて、あんな曲が作れたらいいなと思い、目指して作ってきたのは確かです。が、最後にできたのは結局“私の”アレンジだったなぁwwと。

 もしめぐひらをプレイされた方がこの曲を聴いたなら、技法的な面は別として構成的な楽曲解説はほぼ不要となるでしょうし、演奏者であれば何の楽想記号もなくても弾き方が分かってしまうでしょう。それが私の想定したものと寸分違わぬものになるかどうかは別問題として、ちゃんとその人の中の『めぐり、ひとひら。』のイメージを生かした解釈をしてくれると思います。これがアトラク幻想曲ならば、解説が必要ない条件はアトラク=ナクアのプレイよりも、クラシックピアノ曲の熟知ではないでしょうか。そういうことです。

 さて原作にも話を移すと、「めぐり、ひとひら。」は私が朱門優さんにはまるきっかけとなった作品です。確かプレイが08年の初夏くらいだったので、この時点で03年秋の発売から4年半ほど経ってたりします。この作品を知る方はなかなかいないでしょうね。

 そして朱門さんといえばラストの超展開。それは因果性を非常に重視するストーリーの組み立てにおいて、伏線の回収により練りこまれた関係性がラストに一気に噴き出してくる朱門作品の恒例行事…というのはほっといて、この曲も最後、172小節目以後は私のアレンジとしては異様ともいえる怒涛の展開を用意しています。ええもちろん原作の影響ですよ〜、というか、プレイした方なら「ここってあのシーンをイメージしてるよねー」レベルで分かっちゃうんじゃないかな。逆にそれをBGMだけで連想できる程度にBGMの作らせ方、使い方が上手いとも言えます。

 で、結局のところこの楽曲って何なんだろうという問いには、実は今も答えを出せていません。めぐひらをプレイした時からBGMアレンジしたいなーとは思っていましたが、実質的なスタート、及び最大の影響はアトラク幻想曲でしょう。ではなぜchiquchoo版アトラク幻想曲から外れていったかというと、やはり原作(と原曲)に強い思い入れがあったこと、そしてそれを重視して作りたいという私のアレンジ姿勢、そして原作全体を意識しながらも楽曲として作ることができたうみねこ組曲などの経験が生きてきているのではないのでしょうか。ただ1つはっきり言えることは、2次創作アレンジとしても、そしてピアノ楽曲としても、自分自身で納得できるものにはなってくれたな、と。


・演奏の手引き

 前半は、私の曲をそれなりに弾いている人なら説明なしで弾ける筈です。音を残して次の和音の一構成音にするとか、楽譜上全然そんな風に見えないのに左手の高速大ジャンプを要求されるとかやってますが、私の曲としてはいつものことですww。
 一方の後半は…原作知ってればほっといても表現が付いてくると思われるんですが、まぁそんな人は絶対少数派でしょうから、私の曲としては珍しくかなり厳密に楽想記号を付けています。これでちょっとでもニュアンスを拾ってもらえれば。(ちょっと珍しい楽想記号も引っ張り出してきているので、分からないものはちゃんと調べてから弾きましょうねーw)


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