ひよのソナチネ



原作品 : きっと、澄みわたる朝色よりも、
アレンジ : chiquchoo
  

楽譜音源


 まずは樋口さん、朱門さん、そしてpropellerスタッフの皆さん、萌えゲーアワード2009(moe-gameaward.com/)グラフィック部門・BGM部門においての銀賞受賞おめでとうございます。樋口さんの楽曲と、朱門さんの演出総合へのこだわりの賜物だと思います。次回作も期待しています、頑張って下さい。

 さてこの曲ほど、ゲームクリア後の音楽室で曲名知って笑えた曲もありません。朱門優作品(いやpropeller作品でしょw) 『きっと、澄みわたる朝色よりも、』 より 『与神ひよ』 のアレンジ、ひよのソナチネです。え、何が笑えたかって? この曲って特定キャラのテーマなのにふつーにタイトル画面とかで使ってますもん。どんだけひよゲーなのかってww。

 ピアノ曲としてのこの曲は、私の流れの中においては『陽気な足踏み』 (ちなみに去年のアワードBGM部門特別賞) の後継作に位置付けされます。必然性を持ってソナタではなくソナチネとしたコンパクトな構成、登場する主題の数を抑え、その再帰を目一杯まで生かす事で、原曲を知らずに初めて聴く人や、ピアノ曲を聴くことに馴染みがない人にも優しい曲に仕上がっていると思います。

 そして、この曲は技法的には私の最先鋭にチャレンジした曲でもあります。魔女の幻想でちょこっと使用したカノンの技法を本格的に引っ張り出し、最終的にそれをメロディーより高音部で弾かれる対旋律と同時に繰り出したりしています。が、それらも基本は分かりやすく。その主題に関して言えば、1回目は普通に、2回目は対旋律と組み合わせて、3回目はカノンと組み合わせて、4回目にようやく対旋律とカノンのダブルで出てきます。つまりなんと4回も出てきてる訳で、これだけ出てくればメロディーも覚えますから、逆にこれだけ繰り返されてもつまらなくならない程度の技法を突っ込む余地ができるんですね。これ、正に陽気な足踏みでとった手法の正統進化版そのものだったりします。原曲との関わりで言うと、ひよの一途な思いの深まりをイメージしている部分です。

 更にもう1つ、この曲は“アレンジ”であることにもこだわってみました。すなわち自分で零から作った<部分を最小限にし、なるべく“原曲のこの部分からのアレンジ”という部分の割合を高めながらも原曲以上の拡張された音響や構成を目指したのです。原曲がただ1曲である中でここまでできて、自分でもかなり満足しています。逆に言うと、1曲からの“アレンジ”だけでここまでやれるんですねぇ。


・演奏の手引き

 運指的には禁じられた遊び〜hope〜加藤賢二の系統の系統の曲です。右手のアルペジオか左手が飛んでくるかはご自由に、ですが、9度が届く人であれば左手に目一杯お世話になることで殆どアルペジオなしで弾くことはできます。
 が、ただ音を鳴らせただけでは全く曲にならないのもこの曲の特徴。とにもかくにも各旋律をきっちりと弾き分けなければお話になりません。そしてそれをマスターできればこの曲の完成はもう目の前でもあります。


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