ヴィオラとピアノのための汐

　　CLANNADを初めてプレイしたときのこと。メニュー画面から先に進めなかった記憶がある。ゲームのメニュー画面で流れるBGMにここまで釘付けにされたことはなかった。何ループも聴いて、よし、このループが終わったらスタートボタンを押そう、と思っていたが、押せなかった。
　　Denkoとしては、この曲は夏影に並ぶkeyの名曲だと思っている。この1曲がCLANNAD全てを象徴しているようにも感じられる。
　　ところで、どうしてヴィオラとピアノのデュオなのか？それは、この曲のピアノソロのアレンジは既に出ているから。さらに、この曲については、「夏影 variant piano arrange」のようなドラマチックなアレンジをしようという気にはなれなかった。よって、ピアノソロのアレンジはしないつもりだった。前作（ Presence∝fTVA 2009spring ）まではピアノソロ曲ばかりだったので、他の楽器を使ってみたいという思いもあり、まずは弦楽器か管楽器とピアノで何か試しにアレンジをしてみようと思っていた。
　　そこで、Presence∝fTVAの顧客（と言えばいいのか？）である織村氏がヴィオラ奏者でしかもCLANNADの大ファンだということを思い出し、いずれ共演できればと思ってデュオを書くことを決めた。
　　アレンジには織村氏の希望を最大限反映させている。原曲から半音あげてト長調としたのは、ト長調だと弦楽器の響きがよいから。また、ヴァイオリンでは出せないヴィオラの低音の魅力を発揮できるように書いた。
　　今回このディスクに参考音源のみの収録となったのは、満足いくヴィオラの音源が作れなかったから。弦楽器の魅力的な自動演奏を作るのはピアノ以上に難しい。下手をすれば弦楽器に聞こえない場合すらある。いずれ共演したときに録音するか、試行錯誤でもして弦楽器をうまくコンピュータ上で鳴らす方法を探すしかない。