you



原曲 : 「ひぐらしのく頃に」 より 「you」
作曲 : dai
アレンジ : chiquchoo ( Presence∝fTVA )
  

楽譜音源


 今になって白状するなら、このアレンジ(新版)の前にもyouはかつて一度アレンジしたのですが、それはyouを弾きたいがためにアレンジしたものではありませんでした。原作に関する理解も十分でなく、ただボーカル版をそのままピアノにして終わっていたようなアレンジでした。
 それから1年。自身のアレンジ能力も成長した筈(?)ですし、この間にものの見事にひぐらし原作にはまって
“礼”まできっちり読みましたし、RPA4 (U.N.オーエン)で実演奏重視の音作りをして上手くいきましたし、ぴこさんのyouの和音位置の絶妙さに驚きましたし、その他色々あった訳ですが、何といっても名曲youに対するかつての自らのアレンジへの未練から、再度のピアノアレンジに踏み切りました。
 このアレンジのコンセプトは『コンサートで演奏しうるyouのリアルピアノアレンジ』です。最大の特徴は右手の低音側で弾く事になるF&A♭の和音。原曲ではメロディーと伴奏以外にもたくさんの音が鳴っていますが、そういった音は1つ1つの存在感はそれほどでもないので、ピアノアレンジの際これらの音をそのまま出すと響きが重くなってバランスが崩れてしまいます。しかしこれらを全て省くと今度は軽薄すぎる。
 そこで私のとった手段が前述の右手の3度の和音です。原曲のメロディー・伴奏以外の全ての音によって生じた“雰囲気”の再現を、演奏上無理もなく、また音の厚みを考えてもほぼ最適と言える高さのこの3度の和音に託しました。
 結果できたこの新版youは、力任せだけに頼らず実演奏で綺麗な響きを目指していく新しい私の最初の1歩となる作品に相応しいものが出来上がったと思います。色々な方のyouのピアノアレンジと比べてみたのですが、この曲はかつてのちくちゅーの雰囲気とは異なりますが、それでも何とも私らしい響きが出ているな、と。

・演奏の手引き

 私の曲の中で、これほど基本に忠実な演奏を求められる曲も珍しいですw。弱い部分でも粒が乱れず、強い部分でも力任せにならない磐石の打鍵、長い目で見たものと部分的なものの両方の意味で安定したテンポでの演奏が、きちんと弾くためには必須となります。
 コンサートで演奏しうるものを目指しただけあって元々の難易度から他の方のyouのピアノアレンジに比べ頭一つ飛び出しているとはいえ、やはりコンサート用の曲としては低難易度の部類に入り、きちんと弾けないと演奏効果で厳しい一面もあります。そういう意味で、簡単そうだからと演奏会とかにこの曲を選ぶと最後の詰めが大変かも…。でも下手にテクニックに走った曲をやるより、この曲をきちっと弾いたほうが綺麗に聴こえる、それだけのポテンシャルは持たせたつもりですが。youが好きな方は是非演奏会で弾いてほしい、そんな曲です。
 なお余談ですが、ひぐらし原作でこのyouが使われるシーンは数えるほどしかありませんが、このアレンジでは最も有名な目明し編スタッフロールではなく、皆殺し編での梨花の最期のシーンをイメージしています。


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