hope



原曲 : 「うみねこのく頃に」 より 「hope」
作曲 : dai
アレンジ : chiquchoo ( Presence∝fTVA )
  

楽譜音源


 初演の際、リアルピアノアレンジでありながらわざわざ「最小限のアレンジでピアノにしました」とコメントした事が、このアレンジの特徴を最もよく表した一幕かもしれません。これでアレンジを名乗ってもいいのかという程の原曲基調に徹した曲です。
 この曲は基本的には原曲のピアノパートのみを拾っていますが、hope原曲はピアノ音以外にも複数のパートを持つ楽曲です。そのような曲からピアノパートだけを抜き出せば、本来なら他のパートが担っていた部分が抜けて音の厚みを失ったり、他パートと音を譲り合った部分が不自然に浮き上がったり、といった事が起こるのが予想されますが、この曲には全くそのようなことがありません。他の楽器と合わせての楽曲であっても、daiさんは本当にピアノで鳴らすべき音をきちんと分かっている人だなぁと感服させられます。
 ちなみに原曲そのまま、あるいは原曲基調のアレンジは楽できるかというと、それがなかなかそうもいきません。この音をピアノでそのまま弾いて大丈夫か、もし代替するならどの音か、代替音と原曲基調部分で不整合がでないかとか色々と気にします。更に言うならそもそも原曲基調でちゃんとピアノ曲になるのか、なるのならピアノ曲としてまとめるために原曲との距離をどのくらいとするのか、そういった判断なしでは自信を持ってリアルピアノアレンジを始めることさえできません。たまにその部分で判断を誤ってアレンジの出だしで躓くこともあります。
 実際このhopeもそんな曲で、制作の前半で3ヶ月位の空白期間があります。その間にかなり悩んで、悩んで悩んで完全原曲基調で行くと決めて、後は徹底的に原曲と向き合った、そんな曲。私のリアルピアノアレンジの中では最新の曲の1つであるこの曲、私は自身を持って「最良のリアルピアノアレンジ」だと宣言します。

・演奏の手引き

 もしこの曲の音源を聴いて、「ちょうどいいレベルみたいだから弾いてみよう」と思った方は、その後かなりの苦労をされる事を覚悟して下さい。聴いた感じと比較してかなり演奏難易度高いです。ただhopeを弾きたいなら他の方のアレンジ当たった方が無難です、ホント。
 演奏する上で一番の大問題は右手と左手の割り振りでしょう。自分がどれくらい手が開いて、どんな手の動きが得意なのか等と相談しつつ割り振っていかないととんでもないことになります。ちゃんと割り振ってもとんでもないことになりますがw。ちなみに私は9度が辛うじてですが、これだと相当トリッキーな振り割りが必要で、両手が同時に高速移動するのが必須だったりします。10度が常用できる人だとかなり楽になりますが、それでも大ジャンプや変則的な指使いを覚悟して下さい。え、一部の音を省略すればいい? それは魔女に屈した家具の取る手段だと思っておいて下さいなw。
 原曲そのままの曲とはいえ、味付けまで原曲通りにする必要はありません。むしろ他パートが抜けている分、若干テンポに変化をつけたりするほうが上手くいくかも。


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