LATEX 数式コマンド




文章中に数式を挿入する場合

$ 数式 $
\( 数式 \)
\begin{math} 数式 \end{math}

文章中に数式を挿入する場合、数式コマンドを上記いずれかのタグで囲む。式の文字の大きさ、上下のマージンは文章と同じになる。これらのタグの中に全角文字を入れないこと。

【例】

この \( x^2 + 3x ) は0を超えないので

tex_math_ex001.gif(3478 byte)



数式を表示する場合

\[ 数式 ]
\begin{displaymath} 数式 \end{displaymath}
\begin{equation} 数式 \end{equation}

文章中に数式を挿入する場合、数式コマンドを上記いずれかのタグで囲む。いずれの3つも、数式がいったん改行されセンタリングされて出力される。\begin{equation}は自動的に式に通し番号をつける。このタグの中に全角文字を入れないこと。

【例】

ある関数 \\
\[ f(x,y)= x + y + xy \]
がある。この関数は・・・

tex_math_ex002.gif(5445 byte)



数式の途中に半角スペースを設ける場合

\(半角スペース)

\(半角スペース) を文字の間に挿入するとスペースを設けることができる。数式コマンド(\begin{math}など)の中ではソースのスペースは出力に反映されないのでこのコマンドを用いる。
数式タグ外でも使用可能。



文字の間隔を詰める場合

\!

専ら重積分のインテグラル記号の間隔を詰めるのに使う。数式タグ内でのみ使用可能。



ギリシャ文字の表示方法

タグを用いなければ、\begin{mathdisplay}系統の中のアルファベットは斜字体で出力される。変数や代数の場合はこれでよいのだが、sinやlogなど斜字体ではなくゴシック体で出力したいときは、頭に\を付ける。自然対数の底eや虚数単位i、jは何のコマンドも用いず半角小文字そのままでよい。

ギリシャ文字は\の後、半角英字で読み方を書けばよく、大文字を出力したいときは読み方の頭文字を大文字に、小文字を出力したいときには読み方の頭文字を小文字にする。
アルファベットの大文字と同じもの(Z:ゼータなど)は半角英数字でそのままソースに記述する。


αアルファ\alpha
βベータ\beta
γガンマ(小文字)\gamma
Γガンマ(大文字)\Gamma
δデルタ(小文字)\delta
Δデルタ(大文字)\Delta
εイプシロン(小文字1)\epsilon
εイプシロン(小文字2)\varepsilon
ζゼータ\zeta
ηエータ\eta
θシータ(小文字1)\theta
θシータ(小文字2)\vartheta
Θシータ(大文字)\Theta
ιイオタ\iota
κカッパ\kappa
λラムダ(小文字)\lambda
Λラムダ(大文字)\Lambda
μミュー\mu
νニュー\nu
ξクシー(小文字)\xi
Ξクシー(大文字)\Xi

οオミクロン\o
πパイ(小文字1)\pi
πパイ(小文字2)\Pi
Πパイ(大文字)\Pi
ρロー(小文字1)\rho
ρロー(小文字2)\varrho
σシグマ(小文字1)\sigma
σシグマ(小文字2)\varsigma
Σシグマ(大文字)\Sigma
τタウ\tau
υウプシロン\upsilon
φファイ(小文字1)\phi
ファイ(小文字2)\varphi
Φファイ(大文字)\Phi
χカイ\chi
ψプサイ(小文字)\psi
Ψプサイ(大文字)\Psi
ωオメガ(小文字)\omega
Ωオメガ(大文字)\Omega


【例】

\dot{Z} = R + jX \ Ω

A(t) = \sin (\omega t + \phi + \pi)





文字に添え字などを付加する方法

\vec { 文字 } で文字の上にベクトルをあらわす矢印、\hat{ 文字 } で
文字にハットがつき、\widehat { 複数の文字 } で広いハットがつく。
\vecではなく、\overrightarrowでもよい。

\overline{ 式 }、\underline{ 式 } でそれぞれ式に上線と下線がつく。

\dot{ 文字 } で複素変数文字や微分した文字にあるような点がつく。

文字_{添え字} で文字の右側に小さく添え字をつけることができる。

微分することを示す ' (プライム)は半角で必要な数だけ入力すればよい。


【例】

\dot E = \overline{ \dot Z_{0} } \ \dot I = \dot Z_{0}^{*} \ \dot I

\vec{e} = a \hat{r}

f''(x) + k f(t) = \cos \omega t






各演算子、記号の表示方法

プラス(+)、マイナス(-)、イコール(=)、不等号(<、>)は
半角でそのまま入力すればよい。その他は

×(掛ける・積)\times
÷(割る・商)\div
三重線(定義)\equiv
等号付き不等号\leq、\geq
十分大きい\ll、\gg
±(プラスマイナス)\pm
マイナスプラス\mp
∞(無限大)\infty
\simeq

各々の演算子の手前に \not を付けるとその演算子に斜線が付く。


【例】

z = 3 \pm 4 i
x + y \leq 4
L \gg d
A \not \equiv B




指数の表示

累乗を出力するコマンドは下記。底、指数、それぞれ定数あるいは一文字の場合、{ }を省略できる。

【例】

e^4

{2n}^{3m}




分数の表示

\frac{分子}{分母}

文字の手前に\displaystyle を記述することで文字の大きさを調整できる。


【例】

\[ \tanh x = \frac{ e^{x} - e^{-x} } { e^{x} + e^{-x} } \]

\[ I = \frac{ E_{o} } { R + j \omega L + \frac{ \displaystyle 1}{ \displaystyle j \omega C } } \]






かっこの高さを調整する場合

\left( \right)

(、{、[ といった各種かっこや |(縦線)は半角で入力すれば出力できるが、高さは一律に一文字分となり、分数の場合高さが足りない。その際、かっこの右側に\right、かっこの左側に\leftを付けるとかっこの高さを自動的に調節してくれる。
\right、\leftは必ず対にする。片側だけ表示させたいときは、表示しない方に\right.のようにピリオドを付ける。


【例】

\frac{d}{dx} ( \frac{\log x}{x} )

\frac{d}{dx} \left( \frac{\log x}{x} \right)

\left. \frac{1}{s^2 - s + 1} \right|_{s = 2} = \frac{1}{3}






ルート記号を表示

\sqrt[n乗根]{数}

ルートを出力するコマンド。
単なる二乗根なら[n乗根]を省略し、\sqrt{数}としてもよい。


【例】

\sqrt{ a + b + 2\sqrt{ab} } = \sqrt{a + b}

x^{ \frac{a}{b} } = \sqrt[b]{x^a}







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