ここ数年で一気に普及したと思われる電池式ペンライト。ただ、ほとんどのペンライトは1色の発光のみで色の切り替えは手動だ。
自動的に点滅したり、一度に複数の色が出せたらもっと盛り上がるだろうと思っていた。そう思い立った2014年の夏。以下のコンセプトで開発が始まった。
あるアイドルグループに夢中になり、ライブ参加が増えたのがきっかけ。
既存のペンライトの少なくとも以下の要件は満たすこと。
●既存のペンライトの要件
・手で持って激しく振って故障しないこと
・数時間のライブで連続使用できること
・ライブ中でもスイッチで簡単に発光色を変えられること
既存のペンライトにない以下の付加価値を加えること。
●既存のペンライトを超える要件
・
同時に3色発光できること
・
自動的に点滅できること
・
スイッチ操作で点滅パターンを変えられること
以上を満たす構成は試行錯誤の末以下のようになった。
・ハード
・発光色、発光パターン制御
PICマイコン
・発光素子
パワーLED
・パワーLED駆動
トランジスタアレイIC+抵抗
・発光色、発光パターン切り替え
ロータリースイッチ
・筐体
100円ショップ調味料入れ(グリップ部分)
A3クリアファイル(散光部分)
・電池
スマホ用円筒形モバイルバッテリ
・ソフト(PICのファーム)
・XCコンパイラによるPWM信号3出力ファームウェア
上記の構成の決定に最も時間を要したのは筐体。激しく振っても基盤、電池が動かず、かつLEDの光を効率的に散光できる素材がなかなか見つからなかった。
100円ショップ、ホームセンターを探し回って使えそうな材料を片っ端から買って試し、ようやく見つかった。また、上記の構成では使用しなかったが
本件のサイリウムの派生品で使用可能な素材が見つかった。
回路図を図1に示す。
図1 ペンライトの回路図
PIC16F690の出力を東芝製トランジスタアレイTD62083へ入力し、パワーLEDを駆動する。ただしTD62083の入出力は8組なので、不足する1組分はMOSFET(BS170)と抵抗1個で補った。
LEDは秋月で入手可能な1WフルカラーLEDを3個使用し、電流制限抵抗は
事前の電流電圧特性測定での測定を踏まえて赤を5Ω、青と緑を2.2Ωとした。スペックシートによると青と緑は同じ電流でも
緑の方が輝度が大きいため、緑の抵抗値は3〜4オームでもよいだろう。
点滅パターンを変更するスイッチは「RotarySW」と示すロータリースイッチと「PUSH」と示すプッシュスイッチ。回路図では十分に表現しきれないが、ロータリースイッチはロータリーコードスイッチを使用するとよい。
今回の回路の場合出力が4端子のため、2の4乗で16通りの入力をPICに与えられる。つまり16通りの点灯パターン切り替えが可能となる。正負理論いずれも使用可能。
PIC16F690に書き込むファームウェアは
ここから。XC8でコンパイル可能。詳細な動作は後程。
続く
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